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ファクタリングと掛け払いについて

BtoB/企業・法人間の決済や集金業務を行う際、代行業者に事務作業や回収業務を委託するという方法があります。いわゆる「掛け払い・掛け払い決済」といわれるサービスです。
掛け払いサービスは、売掛金を取り扱うという点においてファクタリング取引と似通う部分もありますが、ファクタリングと掛け払いは別物です。
本記事では、ファクタリングと掛け払いはどのような点が異なるのか、掛け払いサービスの利用がおすすめなのはどのようなケースなのかなど詳しく解説します。

企業間取引において(※)、商品を提供したときに代金をすぐ支払ってもらうのではなく、一定期間の間に提供した商品の代金をまとめて後で支払ってもらうという信用取引方法を「掛け払い」といいます。
商品を提供する企業Aにおいては、請求書の発行を1度にまとめられるので業務を簡略化することができるというメリットがあります。商品を購入する企業Bにおいては、後でまとめて支払いを行えばよいので資金繰りに計画性を持たせられるというメリットがあります。
掛け払いに関連する用語として「売掛金」や「買掛金」があります。実際に事業をされている方は頻繁に利用する言葉かと思います。商品を販売した企業Aにとっては、その代金が売掛金(後で支払ってもらえる・請求できる売り上げ)、購入した企業Bにとっては、商品代金は買掛金(後で払わなければならない代金)です。
※企業対一般消費者(BtoC)の場合は「後払い」という名称になります。

集金業務を楽にする!掛け払いサービス

商品を提供する“売り手”側の企業は、一定期間の売掛金が溜まることで、請求書の作成や発行、入金の確認・督促・回収などの経理業務に膨大な手間や時間を要します。決済日付近では通常のコア業務が回らなくなってしまうことも少なくありません。取引先(売掛先)が多い事業者にとっては、売掛金の回収業務がとてつもない負担になっているということもあるでしょう。
こうした一連の集金業務を代行してくれるのが、掛け払いサービスと呼ばれる業者です。請求書の発行~代金を回収・督促するまでの業務を掛け払いサービスの業者に委託することで、売り手企業は通常の業務を遅滞なく進めることができるようになります。
掛け払いサービスを提供する業者はいくつかありますが、中でも株式会社ネットプロテクションズが提供するNP掛け払いは「2021年3月31日時点で、年間利用者数46万社(※参考①)」とあって非常に普及しているサービスといえるでしょう。
他にも掛け払いサービスの業者は存在しています。後ほど一覧にしてご紹介させていただきますので、よろしければ参考にしてみてください。

掛け払いサービスのメリット、デメリット

売掛金に関する経理業務をほぼ丸投げできる

掛け払いサービスを利用することで得られる最大のメリットは、売掛金に関してのあらゆる経理業務をしなくてもよくなるということです。
たとえば次のような業務を掛け払いサービスがやってくれます。

  • 与信審査(掛け払いは信用取引なので、まず売掛先の企業を審査する必要があります)
  • 請求書発行(作成~発送)
  • 入金確認・入金消込(締め日や支払日の管理)
  • 催促、督促
  • 代金回収
  • 売掛先からの問い合わせ対応
  • 複雑な与信審査からプロに任せられるので安心

    NP掛け払いをはじめ、掛け払いサービスの業者が掛け払いの与信審査を行ってくれるようです。各社、独自の与信管理システムを構築し、プロが与信審査を担当するため、スピーディ&ミスのない安心な与信審査を実行してもらうことができます。
    プロによる与信審査のため、自社で行うよりも効率がよい審査通過率であることも多く、これまで商品を提供することができなかった小規模の事業や個人事業主とも安心して取引をすることが可能になるケースもあるようです。取引先の拡大につながる可能性があるでしょう。

    未回収リスクをほぼ100%保証してくれるので、代金未払いの心配が不要

    万が一、売掛先の代金未払いがあっても、掛け払いサービスの業者による与信審査に通過している取引先であれば、掛け払いサービスによって未回収リスクを100%(※)保証して貰えます。掛け払いサービスを利用していれば、利用者は売掛金を100%回収できるということなのです。
    ※掛け払いサービスの業者によっては、未回収金の保証に関して除外事由が定められている場合があります。

    ファクタリングと掛け払いサービスは、どちらも売掛金を扱う取引ですが、全くの別物です。ファクタリングは“発生している売掛金の売却・売掛債権譲渡”であり、掛け払いサービスは“商品代金の請求業務の代行と未回収リスク保証”です。
    共通点としては、どちらも売掛金の未回収リスクが保証される=売掛金を払って貰えなかった場合でも丸ごと損失にしなくて済むという点は共通しています。ただしいずれの場合も手数料などが発生します(※融資ではないので、利息ではありません)。
    相違点としては主に次のような点になります。

    ファクタリング

    ファクタリングは、すでに利用者が商品を販売しており売掛金(売掛債権)を保有している状態からスタートします。売掛金がなければファクタリングを利用することはできません。
    ですので、請求書の発行業務は基本的に利用者が行います。ただし3社間ファクタリングと呼ばれる方法であれば、期日における売掛金の回収や、支払いが遅れた時の督促についてはファクタリング業者に任せることができます。
    また、2社間ファクタリングという方法であれば、申し込みから最短で即日売掛金を現金化して入手することができる(※)ので、スピーディに資金調達をすることができます。
    ※売掛金から手数料を引いた金額が入金されます。

    掛け払いサービス

    掛け払いサービスは、取引先に商品を掛けで販売するかどうかという点(与信審査)から業務を代行してくれます。手数料の支払いは別途行うことになるようです。キャッシュフローをオプションで取り入れている業者もあり、期日よりも早く代金を入手することができる場合もあります。
    とはいえ掛け払いサービスの最大のメリットは、請求書の発行や入金確認、代金の回収などこれまで膨大な手間と時間がかかっていた業務を業者に委ねることができるという点でしょう。

    掛け払いサービスが適しているケース

  • スタートアップ、急成長している企業で、請求業務が増加すると人手が不足してしまう
  • 請求業務が膨大な大企業など
  • 後回しになりがちな少額の案件の取りこぼしを防ぎたい
  • 取引先企業にとっても利便性が高い決済を導入したい
  • ファクタリングが適しているケース

  • 金融機関の審査に通りづらく、資金調達で困っている
  • 販売から入金までのタイムラグが長いので、売掛債権を活用して資金調達したい
  • 売掛金しかなく、仕入れや税金の支払いが間に合わない…すぐに現金が欲しい
  • 取引先(売掛先)に知られずに資金繰りをしたい
  • 以上のように、掛け払いサービスとファクタリングでは、各サービスを利用する時点で目的とするものが異なります。請求業務に関するお悩みよりも資金調達や売掛金の現金化について悩んでいるという方の場合は、ファクタリングの方がよりご希望に沿いやすい可能性があります。

    気になる料金や支払いサイクルなどを合わせて、掛け払いサービスを提供している3社をご紹介します(情報は各社WEBサイトより引用)。利用料金・費用については契約内容によって異なる場合がございますので、気になる点がございましたら各WEBサイトから各社に直接お問い合わせください。

    NP掛け払い

    会社名 株式会社ネットプロテクションズ
    初期導入費用 0円
    手数料 ~3.6%
    月額固定費 12,000円~
    請求書発行費用 1通あたり0~225円
    支払サイクル 月末締め翌々月10日払い(40日)など
    https://np-kakebarai.com/brand/

    NP掛け払いは、非常にシェア数が多く業界最大級の導入実績を誇る決済代行サービスです。株式会社ネットプロテクションズでは、NP後払い(BtoC、企業対一般消費者向け)のサービスなども行っています。

    会社名 株式会社ラクーンフィナンシャル
    初期費用/月額費用 0円
    取引金額の保証料 0.5~3.1%
    事務手数料 請求1件あたり100円
    支払いサイクル 月末締め翌月末または翌々月5日払い(30~35日)
    https://paid.jp/lp/supplierLp13_A/

    支払いサイクルを伸ばすことで保証料が値引きされるといった対応があるようです。初期費用・月額費用0円で使いやすく、EC販売やWebサービス提供などの企業を含めたあらゆる業種から選ばれています。

    RP掛け払い決済

    会社名 株式会社ROBOT PAYMENT
    初期費用/月額費用 0円~
    手数料 0.5%~2.9%
    請求書郵送費用 0円
    支払いサイクル オプションで最短3営業日にできる
    https://www.robotpayment.co.jp/lan/payment/btob_kakebarai/

    BtoCの決済方法“サブスクペイ”を運営する株式会社ROBOT PAYMENTが提供している掛け払いサービスで、決済代行業は20年以上とされています。代金回収の仕組みに強く、早期支払いのキャッシュフローオプションがあるようです。

    例:NP掛け払いを導入する流れ

    掛け払いを導入することに決めたら、どのような流れで進めればよいのでしょうか。

  • NP掛け払いの場合(※参考②)、まずは問い合わせを行い、業者からの連絡を待ちます。
  • 3営業日以内に連絡があるので、運用の目的や求める効果について担当者に相談してください。希望に沿った内容でプランを提案されるので、質問事項についても確認を。
  • 納得できる内容であれば審査に進みます。
  • 取引先へ、NP掛け払いの導入について案内を行います。
  • 運用体制が整えば、利用を開始することができます。
  • 他の業者であってもまずは相談から始まりますので、各WEBサイトからお問い合わせください。

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