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請求書のみでファクタリング利用は不可!最低限必要な書類は?

ファクタリングは、企業間の商取引で生じる売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却・債権譲渡することで、本来の支払期日より早く現金を得るという資金調達方法です。手数料はかかりますが、最短で即日~2週間ほどで売り上げを現金化できるため、1日でも早く資金が欲しい、急な支払に対応できないといった状況を乗り越える一手段として有効に活用していただくことができるでしょう。
ファクタリングはオンライン上でほとんどの手続きが完結することが多く、申し込み後に必要書類をメールなどで送信またはアップロードすれば、ファクタリング会社にすぐ審査をしてもらうことができます。申し込みが簡単で手間がかからないこともファクタリングの一つの魅力となっています。
今回は、ファクタリングを利用する際に必要な書類について解説します。

ファクタリングは“すでに発生している売掛債権(売掛金)をファクタリング会社に売却・債権譲渡する”という取引内容から、時として「請求書の買い取り」などと称されることがあります。請求書が売掛債権の存在を証明する書類とされるためです。とはいえ、実際ファクタリング会社は請求書そのものを買い取っているわけではないので、請求書さえあれば利用できるというわけではありません。
まずはファクタリングの基礎知識をご紹介します。

ファクタリングの対象となるもの

中小零細企業を経営する法人・個人事業主の間で資金調達の手段として活用されているファクタリングは、売掛債権(売掛金)を売却・債権譲渡する取引です。このときファクタリングの対象となるのはすでに発生している(利用者企業が保有している)売掛債権のみです。
ファクタリングを利用するときは、この売掛債権の存在を証明する書類として、売掛金の請求書をその他必要書類とあわせてファクタリング会社に提出します。
何らかの事情からまだ請求書を発行していない売上(売掛金)については、売掛債権として証明できる要素がないことから原則としてファクタリングの対象にはなりませんが、場合によっては他の書類などが請求書の代わりとして認められることもあります。
また、約束手形(※)や労働者個人が保有している賃金債権、商品在庫などについては、基本的にファクタリングの対象外です。
※手形は手形割引という取引で取扱銀行にて現金化することができます。

ファクタリングの審査とは

ファクタリング会社を利用するときの一般的な流れは次の通りです。

  • ファクタリング会社のWebサイトや電話などでファクタリングを申し込む
  • ファクタリング会社から求められる必要書類を揃えて提出する(アップロード等)
  • ファクタリング会社の審査後、利用開始
  • 2社間取引なら最短で即日入金、3社間取引なら取引先(売掛先)に承諾を得てから契約となる。

    コロナ禍の影響もあり、ファクタリング会社ではWebページ上で申し込みを受け付けたり、必要書類をメールやオンライン提出(アップロード)で受けとったりすることが一般的です。中には利用者との面接が必要なケースも少なくありませんが、オンライン会議機能やテレビ電話機能を駆使して面接を実施する会社はかなり多いようです。基本的に簡単な手続きとなっているうえ、必要書類もメールや郵送等様々なニーズに対応してくれる傾向がありますので、時間的な余裕のない個人事業主の方にとっても比較的利用しやすいでしょう。

    ファクタリング会社では、利用者(申込者)より提出された書類やオンライン面接の内容などから審査を行います。ファクタリング会社の審査は、主に売掛先の支払い能力(経営状況)と利用者の状況を確認するために行われます。利用者の経営状況がよくて人柄が申し分なくても、売掛先の支払い能力が低ければ審査に通るのは難しいです。逆に、売掛先が非常に安定した企業であり、利用者の人柄に不安材料がない場合は、利用者の経営状況があまり良くなくても(赤字決算など)審査に通る可能性が高いでしょう。

    ファクタリングの審査は、基本的に金融機関で行われる融資の審査よりも通りやすい傾向があります。
    とはいえしっかりと審査をしてもらうためには、複数の必要書類をきちんと提出する必要があります。ファクタリングは、一部では「請求書の買い取り」と呼ばれることがありますが、実際は請求書を買い取っているわけではないので、請求書さえあればいいということはありません。ただし、個人事業主やフリーランス向けのファクタリング会社では必要書類がかなり少なく済む傾向があるようです(取引内容や会社の規模によります)。

    ファクタリングの審査で一般的に提出を求められるのは次のような書類です。

    成因書(請求書や注文書)

    請求書・発注書・納品書・個別契約書など、売掛金が発生していること(売掛債権の存在の確実性)を証明する書類が必要です。取引内容や入金予定の期日などの確認も行います。

    入金が確認できる通帳

    売掛先との継続的な取引があれば、売掛先の支払能力を証明する要素となります。ファクタリングを利用する会社の財務状況を確認する目的でも提出を求められます。

    確定申告または決算書

    直近のもの、または直近2~3年のものなどを提出するよう求められます。ただし、創業や独立をしたばかりでまだ決算書や確定申告がないというケースでも、事情を説明すれば対応してくれるファクタリング会社は少なくありません。直近の試算表などがあるとなおよいでしょう。

    利用者の身分証明書

    免許証やマイナンバーカードなど。法人、個人、フリーランスを問わず代表者の身分証明書を提出する必要があります。

    その他

    会社(利用者)の存在を証明する商業登記簿謄本、契約の際に必要な印鑑(および印鑑証明)、税金や社会保険の書類などが必要になるケースもあります。

    必要書類は、各ファクタリング会社のWebサイトに明記されていることが多いため、事前に揃えて申し込みを行えばスムーズです。取引内容によっては追加書類が必要となる可能性があるので、時に臨機応変な対応をする必要があるかもしれませんが、必要書類をスムーズに提出できればそれだけ審査が早く進みますので、入金されるのも早くなるでしょう。

    原則的に、ファクタリングを利用するためには請求書並びにその他必要書類の提出が求められます。
    しかしファクタリング会社によっては、請求書なしでも他の成因書を請求書の代わりとして認めてもらえるケースがあります。何らかの事情からまだ手元に請求書がないが、すでに売掛債権は発生しているという場合には、ファクタリング会社に相談してみる価値があるでしょう。しかし、それでもファクタリング会社が請求書の提出を必須としている場合には対応しなければなりません。

    逆に、請求書だけあればその他必要書類なしで利用できるなどというファクタリング会社は、ファクタリング会社としての安全性を確認する必要があります。
    例えばクレジットカードを作る時や銀行で融資を申し込むとき、またはローンで何かを購入する時など、金銭や信用にかかわる取引をする場合には、身分証明書をはじめ複数の書類を提出する必要があるものです。ファクタリングも金銭や信用にかかわる取引契約ですので、いくら審査基準が高くないといっても当然ファクタリング会社は慎重に情報を精査します。そのためには、“必要書類が請求書だけ、他には何もなし”ということは一般的にあり得ないといっても過言ではありません。
    いくら簡単に利用できることが魅力と言っても、悪徳業者や違法取引を行うヤミ金融などに遭遇し、不要のトラブルに巻き込まれては元も子もありません。必要書類が少ない会社がすべてファクタリングを装った悪徳業者ということではありませんが、必要な書類が極端に少なく、問い合わせの時点で怪しいと感じたら、その会社の利用を避けたほうがよいでしょう。

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