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ファクタリングは金利がかかる?手数料の相場や疑問を解説

ファクタリングは手形取引に代わる資金調達方法として、近年普及するようになりました。現在では中小企業の資金繰りのため多くの企業で役立てられています。
しかし、日本では従来の手形取引の浸透力が圧倒的なことから、ファクタリングについてあまり良くない印象を抱いている方や、具体的にどのようなサービスなのかわからないという方が少なくありません。今回は、ファクタリングでよく疑問とされる「金利」や「手数料」について解説します。ファクタリングの性質を理解していただく一助となれば幸いです。

ファクタリングは企業間取引において発生する「売掛金(売掛債権)」を対象とした取引です。本来であれば、売掛金の発生(商取引の実行日)から実際に売掛金が入金されるまで数週間~2か月ほども待たされることもあるため、仕入れや従業員、外注先への支払などで資金繰りが行き詰まるケースがあります。ファクタリングは、このようなときにファクタリング会社へ売掛金を売却・債権譲渡することで、最短で即日~2週間程度で現金を手にするというサービスです。

ファクタリングを利用するためには手数料が生じます。手数料は、ファクタリング会社から現金が入金される際に差し引かれる仕組みになっていますので、後日改めて利用者がファクタリング会社に手数料を払う必要はありません。
手数料は統一されているわけではなく、ファクタリング会社や取引の内容などによって手数料率が定められています

2社間取引(2社間ファクタリング)

ファクタリング会社と利用者が売買契約を結び、売掛金を現金化する取引を2社間取引、2社間ファクタリングと言います。ファクタリングを利用することを売掛先に通達しないため、資金繰りで困っていることを売掛先に知られたくないときによく使われる取引です。ファクタリング会社が売掛先に対して債権の確実性を確認できないため、手数料は高く設定されやすく、相場としては売掛金の10~20%といわれています。

3社間取引(3社間ファクタリング)

あらかじめ売掛先に承諾を得たうえでファクタリング会社に債権譲渡する取引を3社間取引、3社間ファクタリングと言います。ファクタリング会社は売掛先に債権の確実性を確認することがするため未回収リスクが低いと考えられています。更に売掛金の本来の支払期日が到来したら売掛先から直接代金を回収することができるので、手数料は10%以下と比較的低く設定される傾向があります。ただ、売掛先にファクタリングの利用について知られてしまう点、売掛先が承諾書面を記入して提出してくれなくては現金化できない点など、利用者にとってはややハードルが高いこともあるでしょう。

ファクタリングは中小企業における資金調達方法として広まっていますので、金融機関からの融資と比べて「金利が高いのか、低いのか」という点について疑問を持つ方が多いようです。金利は貸借した金銭に対して支払われる利子・利率のことですが、実はファクタリングはお金の貸し借りではないため金利がかかることはありません

ファクタリングは貸金業ではない

ファクタリングはその性質から貸金業に該当しないと判断されています。そのため、ファクタリング会社の多くが貸金業の登録を受けていません。取引内容が貸金ではないため、金利が発生することはないのです。
ところが、中には取引の内容が貸金業に該当するようなケースもあります。次のようなケースでは、一般的なファクタリング会社ではなく実はヤミ金融や悪徳業者である可能性が高いです。

  • 手数料の分割払いを求められる
  • 手数料が相場より著しく高額になっている
  • 売掛先が未払いになった場合に弁済を求められる
  • 給与(賃金債権)など本来ファクタリングの対象にならないものを譲受しようとする
  • このように、ごく一部の悪徳業者やヤミ金融では違法取引をしている事例もあるため、被害に遭わないよう十分に気をつけてください

    ファクタリングでは、売掛先から売掛金が回収されなかったとき、ファクタリングの利用者が資金を補償したり弁済したりする必要がありません。売掛金の未回収リスクを含めてファクタリング会社が買い取る決まりになっているからです。
    そこで、ファクタリング会社によっては「掛け目」を使って債権の保全のために一時預かり金を設定することがあります。掛け目は概ね売掛金の70~90%前後とされ、残りの10~30%がファクタリング会社で預かられます。利用者は売掛金の70~90%から手数料を引いた額しか受け取ることができませんが、のちに無事売掛金が支払われれば、その代金から精算して預かり金が返却されます。
    いっぽう手数料は、ファクタリングサービスの使用料となりますので返ってこないお金です。あまりに高い手数料のファクタリング会社と契約をしてしまうと、自社の資金繰りにとって負担が生じ、かえって悪循環となるおそれがあります。取引内容は十分注意して、計画的にファクタリングを利用してください

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