コラム
完全オンラインファクタリングの特徴とメリット・デメリット
ファクタリングサービスを取り扱う業者は多数存在していますが、中には“オンラインファクタリング”という名称を掲げるファクタリング業者が存在しています。
ファクタリングにかかわる手続きを完全にオンラインで行うことができるという点が大きな特徴ですので、ファクタリングを利用したい方の中でも近くにファクタリング業者がない地域にお住まいの場合や面談などで時間を取られたくないという事業者にとって大変便利なサービスといえるでしょう。サービス内容としては一般的な“資金調達のためのファクタリング（売掛債権の債権譲渡・売却）”となるようですが、非オンラインのファクタリング業者との違いはあるのでしょうか。
今回はオンラインファクタリングの具体的な使い方やメリット・デメリットについてまとめました。ご利用される方にとってはWEBだけで完結する取引となるとご心配なことも多いかもしれません。事前にしっかりと仕組みをご理解いただくための参考になれば幸いです。
オンラインファクタリングの特徴
オンラインファクタリングは、スマホやパソコンを使ってオンライン上でファクタリングを申込み、契約～入金まですべてが完結するというファクタリングサービスの提供方法です。
ネット上ですべて完結する
オンラインファクタリングでは、クラウドサイン（参考①）のような電子契約システムを取り入れ、ペーパーレスで契約をすることができるようになっています。郵送での契約書類の送付／返送なども基本的には不要とされています。
【申し込み～入金の流れ】
オンラインファクタリングのご利用の流れをご紹介します。業者にもよりますが、一般的には次のような流れで進みます。
※１：必要書類について
必要書類は業者により内容が異なります。本人確認書類、請求書、通帳などが必要になることが多いです。メールなどで提出する方法の他、専用のページから画像データをアップロードする方法などを用意している業者もあります。
※２：入金について
ファクタリングはいくつかの種類がありますが、オンラインで完結させられるのは2社間ファクタリングという種類のものになります（他の方法は書類の郵送などが必要になるケースが多く、オンライン申し込みは可能でも、手続きのすべてをオンラインで完結させるというのは難しいです）。2社間ファクタリングの場合は、債権譲渡に関する売掛先からの承認を得る必要がないため非常にスピーディに売掛金を現金化することが可能なのです。
なお金額としては、売掛金の買取り可能額（手数料などを引いた額）になりますので、売掛金の100％が入金されるわけではありません。また、ファクタリングは融資ではないので売掛金の金額を超えた額を調達することはできません。
ファクタリングの内容が限られるケースも
ファクタリングの内容・種類によっては郵送や対面での面談が必要となるケースもありますので、完全にオンラインで済ませたいという場合には条件が限られてしまうかと思います。オンラインで完結するファクタリング取引はほとんどの場合2社間ファクタリングとなるでしょう。3社間ファクタリングやその他の方法の場合は、オンラインで完結・即日入金という流れやスピード感が条件的に難しいためです。
とはいえ、オンラインファクタリングを売りにしているファクタリング業者は、出張面談に対応していたり全国に支社があったりと比較的使いやすいサービス展開をしている傾向があります。ファクタリング業者が対応していれば、2社間ファクタリングで買取りが難しい場合でもその他の方法を提案してくれる可能性があります。遠方だからとあきらめず、気になっている方はまず無料相談などされてみてもよいかと思います。
オンラインファクタリングのメリット・デメリット
非常に便利でスピーディなオンラインファクタリングですが、ある程度条件が限られていることもあります。具体的なメリット、デメリットを理解した上でご利用いただくのが安心です。
メリット
手続きが簡単
オンラインで完結できるようになっているので、ほとんどの場合非常に簡単な手順で利用することができます。スマートフォンやパソコンでネットを使い慣れている方であれば問題なく手続きをすることができるでしょう。
面談時間や移動時間が必要ないので、忙しい方や遠方からでも手続できる
移動コストを削減することができる
中小企業や個人事業主の場合、お仕事上どうしても時間の調整が難しいという方も少なくありません。また遠方からファクタリング業者に会いに行くとなると時間もコストもかかってしまいます。オンラインファクタリングであれば、ご自宅や作業所、事務所にいながら手続きをすることができるので、対面契約にくらべればかなりの時間やコストを削減できます。
売掛先に知られずに資金調達できる（※）
オンラインファクタリングで取り扱っていることが多い2社間ファクタリングでは、売掛先に知られずに売掛金をファクタリング業者に売却し、現金化することができます。売掛先との関係性がまだ強固でない場合など、売掛先がファクタリングに対していいイメージを持っていない（資金難を勘ぐられてしまうなど）ケースにおいても安心して資金繰りをすることができます。
最短で申し込みの即日に入金される（※）
ファクタリングの内容やタイミングにもよりますが、「最短即日入金」や「最速で●時間後に入金可能」などとうたっているオンラインファクタリング業者は多数存在します。必要書類がそろっており、必要事項に問題なく記載ができている状態であれば、審査が済み次第ファクタリング業者が売掛金を買い取ってくれます。そのため非常にスピーディに必要なお金が入金されるという仕組みなのです。
※売掛先に非通知や最短即日入金などのメリットは、2社間ファクタリングという取引方法の場合に限ります。
デメリット
審査が厳しい（柔軟性が低い）
スピード重視のオンラインファクタリングの場合、審査の柔軟性が低く審査に通りづらい可能性があります。オンラインファクタリングの審査には通らなかったというケースでも、面談時間を設けて申し込んだら審査に通った…ということもあるようです。
必要書類をすべてそろえてデータ化しなければならない
契約手続きにスマホやパソコンを利用しますので、スマホ・パソコンを使い慣れていない、苦手という方にとってはハードルが高くなってしまいます。もしも操作が難しいと思われる場合は、いきなりオンラインで進めるよりも、電話相談に対応している業者に問い合わせていただくところから始めると比較的わかりやすいかと思います。
対応してもらえるファクタリングの種類に限りがある
ファクタリングには様々な種類がありますが、すべてのファクタリング取引をオンラインで完結させられるかというと、実はそうではありません。オンラインで完結することや、スピーディに資金調達ができることはメリットなのですが、ファクタリングの種類が限られてしまうことによって、手数料が割高になったり審査が厳しくなったりします。
オンラインファクタリングの業者には1種類の取引しかできない業者もありますので、業者を選ぶ際には注意が必要です。
対面よりもファクタリング業者の様子がわかりにくいため不安が残ることがある
ファクタリングは国が認めている安全な中小企業の資金調達方法なのですが、まだ普及し始めて間もないため、法律などの整備が行き届いていない部分があり、残念ながら一部には違法取引をすすめる悪質な業者が存在しています。ファクタリングに対してよい印象をいだかない方もいらっしゃるでしょう。しっかりと顔を合わせて説明を受けたい、安心して利用したいという方にとっては、オンラインファクタリングは不安が残ってしまう可能性があります。
オンラインファクタリングが適しているのはこんな人
メリット、デメリットを踏まえた上で、オンラインファクタリングの利用が適しているのは次のようなケースになります。次のようなケースの場合は、2社間ファクタリングだけでなく3社間ファクタリングの取り扱いがあり、出張面談やオンライン面談などに対応している業者を選択されるのがおすすめです。書類の郵送が必要な場合もあるため多少は時間がかかるかもしれませんが、安心してファクタリングを利用することができると思います。
オンラインファクタリングの特徴を理解し、ご自身にあった方法を選択していただければ幸いです。
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