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どちらを利用すればいい?ファクタリングとリースの違いを解説!

業種によっては、設備費としてまとまった費用が必要となることがあります。中小企業においては必要な設備費用をすべて融通するための預貯金を備えていることはまれであり、多くの企業が金融機関からの融資やファクタリング、リース契約などによって経営を維持していくことになるでしょう。
さて、リースの中でも何種類かの取引形態がありますが、いったいどの取引をどんな時に利用するのが最適なのでしょうか。
今回はファクタリングとリース契約の違いやリースの目的と種類、そしていくつかのケースにおいてどのような取引を利用するのが最適なのかを想定し、ご紹介いたします。

ファクタリングとリースでは、そもそも取引の方法や目的が全く異なります。しかし、いずれもうまく使いこなすことで資金繰りを調整・維持・改善させることができるでしょう。

ファクタリングとは

ファクタリングにはいろいろな種類がありますが、中小企業において一般的に使われるものとしては、短期的な資金調達を目的とする取引=現金を獲得する方法を指します。
掛け取引で商品やサービスを販売すると売掛金が発生します。すでに請求書を発行してある売掛金を「売掛債権」としてファクタリング会社に売却・債権譲渡するのが買取り型ファクタリング(以下、ファクタリングとします)という取引になります。売掛債権は、「売掛金の額面-手数料=現金」が最短で即日の内に利用者に入金されるので、期日の迫っている税金や仕入れなどの支払い、返済などに充てることができます。そして売掛先から後日入金される売掛金はファクタリング会社のものとなります。取引内容によって1~20%の手数料がかかる点がデメリットとなりますが、キャッシュフローの調整に役立つこと、融資ではないため負債として扱われないことなどのメリットがあります。

リースとは

リースには大まかに2つの種類があります。 一つは、手元資金を残して必要な設備をそろえるために行うリース契約です(このリース契約の中でもさらにいくつかの種類に分かれます)。リース契約は、自社で設備を購入するのではなく、リース会社にリース料を支払うだけで設備を利用することができるというものです。利用する企業にとっては、設備を導入する際のハードルがかなり低くなります。
もう一方は、会社の資産である設備や不動産を売却すると同時にリース契約を結ぶ=現金を調達すると同時にその設備や不動産も使い続けることができるリースバック契約です。

リースの目的と種類

まずは“リース料を支払って設備を導入する”というリースについてご説明します。

ファイナンスリース

高額な設備が必要となったとき、会社が自社の資金を投入したり金融機関から設備費を借り入れたりして設備を用意することには大きな負担が生じます。せっかく導入した設備が思うような効果を上げずに投資計画が失敗してしまうというリスクもあるでしょう。
このような時、リース会社が企業や事業主に代わって購入した設備をリースすることで、多額の資金が一時的に流出するのを防ぐことができます。ファイナンスリースを利用する企業や事業主は、実際にその設備を所有しているのと同じだけの経済的利益を受けることができますが、リース物件を使用することで生じる費用についても実質的に負担することになります。
また、ファイナンスリースには「所有権移転リース」と「所有権移転外リース」という2種類の取引方法があります。これらは、リース物件の所有権が誰のものになるのかという点で料金や別途費用のかかり方が変わります。

オペレーティングリース

リース業者が必要な設備を購入する際、法人投資家や銀行からリース資金を集め、リースとして貸し出す設備(資産)を購入するのがオペレーティングリースです。設備を利用したい企業や事業主は、ファイナンスリースを利用する時と同様にリース会社へリース料を支払い、設備を利用(自社に導入)することができます。リース会社は、リース料から得た利益を投資家に分配します。
ファイナンスリースよりもリース料の総額を抑えることができ、短期間でのリース契約ができる傾向があるため便利なのですが、基本的にはレンタルと変わらないのでリース物件が自社の所有物になることはありません。

最後に、リースと現金調達を同時に行う“リースバック”についてご説明します。

リースバック

不動産や機械、設備機器などすでに保有している資産を金融機関やリース会社に売却し、現金を得ると同時に売却した資産を利用し続ける契約を結ぶことをリースバックと言います。企業だけでなく、個人の方にも不動産のリースバックなどが利用されています。
利用者は、持ち家や工場を売却して現金を得ることができる一方で、リース会社に賃料(リース料)を支払いながら賃貸としてその家や工場をこれまで通り使い続けることができます。リースバックした物件は、リース会社にリース料を支払うということ以外、リースバックの前と後でなにも変わらないため、周囲にリースバックによる資金調達をしたことが知られにくいという特徴があります。

リースとファクタリングでは利用するシーンが異なりますが、どちらも資金調達や経営維持において“負債を増やさない”という点が共通しています。負債を増やさずにやりくりしたいというとき、それぞれの取引を最適なシーンで利用していただくのがよいでしょう。

  • ファイナンシャルリースやオペレーティングリースが適するケース
  • 初期費用を抑えて高額な設備を導入したい
  • ベンチャー、スタートアップのためまだ資金調達ができないが、仕事のために設備が必要
  • 毎回買いかえる資金はないが、常に最新の機器を使いたい!
  • ファイナンシャルリースやオペレーティングリースは、現金を直接的に調達する方法ではありません。しかし「融通できる現金や、ファクタリングやリースバックで売却できる資産(売掛金や不動産)はないけれど、導入したい設備がある…」という時にはファイナンシャルリースやオペレーティングリースを活用していただくのがよいでしょう。また、リース契約の内容によっては、耐用年数に合わせたリース期間を設定して常に最新の設備を利用することができる場合もあります。

  • リースバックが適するケース
  • 銀行から融資を受けるのが難しいが、早急にまとまった資金が必要…
  • 一時的に資金難に陥ってしまった…不動産を手放すのは嫌だが、不動産しか資産がない!
  • 借入金が多すぎる。借金を返済して財務内容を改善させたい
  • リースバックは小さな設備などに対しては活用することが難しい取引です。不動産を活用して資金繰りをしたいと考えているときに利用するのが一般的といえるでしょう。
    比較的早急に資産をまとまった金額で現金化することができるため、企業の急激な資金難への対策として使われることがあります。リースバックした不動産はそのまま使い続け、将来的に買い戻すことも可能ですので、一時的に業績が悪化しているときにリースバックを利用し、経営状況が回復してからまた不動産を買い戻すという使い方ができます。もちろん買い戻せばその時点で賃料(リース料)の支払いは必要なくなります。

  • ファクタリングが適するケース
  • 売掛金の支払いサイトが長く、仕入れや従業員に支払う現金が足りない!
  • 新しいビジネスをするにあたって初期費用が必要…売掛金を活用した資金調達をしたい
  • 一時的な税金の滞納を解消し、金融機関の融資を受けたい
  • ファクタリングは、中小企業や個人事業主(フリーランス)の一時的な資金調達方法としてとても便利なサービスです。売掛金を現金化する際に手数料が生じますが、負債にならないため賃借対照表のオフバランス化にも効果があります。
    ファクタリングは売掛債権の売却・債権譲渡ですので売掛金がなければ利用することができません。売掛金がある場合は、数十万円~現金化することが可能です(※)。ファクタリング会社によって、最低~最高買取り金額には幅がありますので事前にご確認ください。
    ※個人事業主(フリーランス)向けのファクタリング会社では数万円~現金化できる場合もあります。

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