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ファクタリングの支払期日は?現金化や振込時期の流れを解説

ファクタリングは依頼後、どのように入金~支払いまで進むのでしょうか。ファクタリングをまだ使ったことがない方や興味がある方に向けて、手数料や支払い条件、流れを解説いたします。

ファクタリングにはいくつかの種類がありますが、一般に中小企業の資金調達方法として用いられるのは「買取り型ファクタリング」という種類の取引です。売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却・債権譲渡し、本来の支払期日よりも早く現金を入手することで困窮していた資金繰りを改善させるという方法です。
買取り型ファクタリングには2つの手段があります。

2社間ファクタリング(2社間取引)

利用者(売掛金を保有している企業)がファクタリング会社に売掛金の売却を申し込み、ファクタリング会社が買い取ります。売掛先に通達する必要がないため、資金繰りに困っていることを売掛先に知られたくないという場合や、売掛先がファクタリングに理解がないため悪い印象を持たれそうで心配という場合によく使われる方法です。
売掛先への通達がないことで、時間の短縮にもなりますが、ファクタリング会社にとっては債権の確実性が確認できないという点で信用度がやや低い取引となり、手数料は高い傾向があります。

3社間ファクタリング(3社間取引)

利用者(売掛金を保有している企業)がファクタリング会社に売掛金の債権譲渡を申し込み、ファクタリング会社が買い取り、債権を譲り受けます。債権譲渡のために売掛先へ通達し、承諾を得る必要がありますが、ファクタリング会社が債権の確実性を確認できるため、手数料は低く設定される傾向があります。しかし、売掛先とのやり取りが生じるため利用者が現金を得るまでに時間がかかってしまいます。

ファクタリングの流れ①:いつ現金が入金されるの?

はじめてファクタリング会社を利用する場合は、利用者の審査のためにいくつか確認書類を提出するよう求められることが多いでしょう。例えば決算書や通帳のコピーなどです。その後、請求書の審査を行い、利用開始という流れになります。2社間取引/3社間取引それぞれの取引では現金が入金されるスピードが異なります。

  • 2社間取引:審査申し込み~最短即日、翌営業日など
  • 3社間取引:数日~2週間程度

    2社間取引は3社間取引に比べて売掛先に承諾を得る時間が短縮できるので、スピーディイン現金化することができます。3社間取引は売掛先とのやり取りがある分時間がかかりますが、売掛先が書面のやり取りなどを迅速に対応してくれれば、その分現金化されるスピードも早くなります。一般にファクタリングの最大のメリットは「実際の支払日より早く現金が手に入る」ことですので、ファクタリング会社としても、3社間取引の場合でもなるべく早く入金できるよう努力してくれることが多いです。売掛先の協力が得られ次第入金されると考えてよいでしょう。

    ファクタリングの流れ②:手数料と振込手数料について

    ファクタリングでは手数料が発生します。法的な規制がないのでファクタリング会社により様々ですが、相場としては次の通りですので目安として参考にしてください。

  • 2社間ファクタリング:10~20%
  • 3社間ファクタリング:1~10&

    このほか、掛け目が使われることもあります。掛け目は債権の保全のためにファクタリング会社に一時預かりとする現金で、売掛金の70~90%が現金化される対象となります(残りの10~30%は売掛金が支払われた際に清算され、戻ってきます)。

    ファクタリング会社の審査に申し込んだ後、最短即日~2週間で現金が入金されます。
    この時入金されるのは、「売掛金-売掛金×手数料率=入金される金額」になります。
    掛け目が使われる場合は、「売掛金×掛け目-売掛金×手数料率=入金される金額」が即座に入金され、「売掛金―売掛金×掛け目=一時預かり金」については本来の売掛金入金日に清算という流れです。

    たいていの場合、現金の入金は銀行振り込みになりますが、その際の振込手数料は利用者負担となることが多いでしょう。振込手数料の金額が心配な場合は、事前にファクタリング会社にご相談ください。

    ファクタリングの流れ③:支払期日はいつ?

    ファクタリングは売掛債権の売却・債権譲渡ですので、その後本来の期日に支払われる売掛金はファクタリング会社のものです。3社間取引では、売掛先が債権譲渡について認識しているため、売掛先→ファクタリング会社に直接売掛金が支払われます。この時、掛け目が使われていた場合はファクタリング会社から利用者に一時預かり金が振り込まれます。
    2社間ファクタリングでは、売掛先はファクタリングを使われていることを知らないため、通常通り売掛金支払期日に利用者に対して代金が支払われます。利用者は、売却した分の売掛金をファクタリング会社に振り込みます。掛け目が使われていた場合は、差し引いた額を入金することになります。2社間取引における支払期日は、契約時に定められますが、基本的には速やかに支払う必要があります(回収期日の10日~15日以内など)。
    なお、この時の振込手数料についても利用者負担となることが多いでしょう。

    ファクタリング会社が現金を支払ってくれる=売掛金を買い取り・債権譲受してくれるのには条件があります。ファクタリング会社によって利用条件(審査基準)は異なりますが、概ね次の点がポイントとなります。

    ファクタリング会社既定の金額内であるか

    ファクタリング会社では、利用金額に上限と下限を設けていることがほとんどです。ただし利用金額の設定はファクタリング会社によって異なります。個人事業主やフリーランスの方を主な利用者とするファクタリング会社では、数万円~20万円程度の売掛債権を買い取っていることが多いです。一方、数百万円~1億円ほどの売掛債権の買い取りを専門としているファクタリング会社もあります。
    たいていの場合、金額の設定についてはホームページなどに記載されていますので、希望する金額の取引を扱っているか確認してから申し込みましょう。

    売掛先の信用度

    ファクタリングで審査の重要なポイントとなるのが売掛先の信用度(回収可能性)です。金融機関で融資を受ける時は利用者の支払い能力を審査されますが、ファクタリングの場合はお金を支払うのはあくまでも売掛先になりますので、売掛先の支払い能力の方が重要なチェックポイントになることが多いのです。

    利用者の信用度

    利用者の信用度についても審査は行われます。ただし、赤字決算や他の債務があるなど金融機関の審査には落ちてしまうようなケースでも、ファクタリングの審査なら通る可能性が高いです。ファクタリングの審査で見られる利用者の信用度とは、架空の債権や悪質な行為を行う利用者ではないかという点、また2社間取引において自社に入金された代金をきちんとファクタリング会社に支払うことができるかという点についてのものであることがほとんどです。
    誠実な利用者であることが伝われば、他に借金があってもファクタリングを利用することができますし、“ひとつのファクタリング会社で審査に落ちてしまっても他の会社なら審査に通る”ということもあり得ます。

    償還請求権について

    基本的にファクタリングには「償還請求権」がありません。そのため、万が一売掛先が代金を支払えなかった(倒産など)としても、利用者は代金を補償する必要がありません。ファクタリング会社が損失を負うことになるので、先に受け取った現金を返す必要はないのです。ですが、ファクタリング会社によっては償還請求権付の契約をしようとするケースもあるようです。償還請求権付の契約をした場合、売掛先が代金を支払えなかった場合は利用者がファクタリング会社に弁済する必要が生じます。自社にとってリスクの高い取引となり得ますので、利用の際は契約書をよく確かめましょう。

    2社間取引で、代金を使ってしまって支払期日に払えないとどうなる?

    2社間取引の場合、ファクタリングで現金を得てから本来の支払期日まで長い時間がかかるため、その間で資金繰りが調整できず税金を滞納してしまったり他の仕入れに費用が必要になってしまったりして、ファクタリング会社に入金しなければならないお金を使ってしまう恐れがあるでしょう。
    売掛金を回収したにもかかわらずファクタリング会社に約束の入金を行わないとなれば、ファクタリング会社は売掛先に確認の連絡を行います。そして契約に基づいて損害賠償をすることができ、利用者には遅延損害金の支払いが課せられる可能性があります。
    せっかく高い手数料を払って売掛先に秘密にしたにもかかわらず、ファクタリングを利用したことが知られてしまい、更に高いお金も払わなければならないとなると、資金が枯渇して経営が立ち行かなくなる恐れもあるでしょう。2社間取引を行う場合、回収した売掛金の扱いには十分注意してください。

    2社間取引で、売掛先が代金を支払わずファクタリング会社への支払期日に入金できない

    売掛先が代金を支払ってくれない場合、ファクタリング会社がその損失を負うことになっていますので、利用者は自腹でファクタリング会社への支払いをする必要はありません。ファクタリング会社に速やかに状況を報告しましょう。ファクタリング会社から売掛先に連絡し、回収を行います。ファクタリングを利用したことが売掛先に知られてしまいますが、この場合は利用者が遅延損害金などを支払う必要はありません。

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